ねこ座暗黒星雲

文です。

『Pokemon LEGENDS アルセウス』感想

f:id:Neko_Nebula:20220131005455j:plain

 他のすべてをなげうちました。

『Pokemon LEGENS アルセウス』、まず言うべきことは「めちゃくちゃ面白かった」です。

 

 惜しむらくはいくつかの面倒なサブクエストで攻略を見たことだが……まあ、サブクエスト22と66は許してほしいんだよね。前者は攻略なしでも別にいけるけど後者はさ……。

 

オープンワールド

 シリーズ初のオープンワールドということでかなり期待していた、その通りのものがでてきたという感じ。発売前最大の懸念は「マップ狭かったらどうしよう」だったんだけど、普通にクソ広かったしポケモンアホほどいました。

 ただ、ブレワイというよりはデスストランディングみたいだなと思った。ポケモンに近づいてボール投げて捕獲か戦闘、という一連のルーチンをめっちゃ走り回りながらする、という意味では「超楽しい作業ゲー」と言えるかも。

 

 各地に固定ポップするFOE枠「オヤブン」も存在し、クソデカくて目を赤く光らせたポケモンがめっちゃ追いかけてきながらはかいこうせんを放つ様は恐怖の一言。オヤブンは専用のマークがつくしデカいし強いしデカいので、個人的にはクエスト一切関係ないオヤブン狩りが一番楽しかった。字面がオヤジ狩りみたいだな。

 

・戦闘

 行動順の概念が整理され2回行動が起きうるなど、大きく変わった戦闘。端的に言うと今回の難易度はかなり高い。敵の攻撃が痛すぎるしレベル差の暴力しようとしても思ったより効かない。野生だろうとトレーナーだろうと敵の強さはあまり変わらず、ゆえに野生ポケモンとむやみやたらに戦闘しまくるのは得策ではない。たぶん意図したバランスだと思うが、シビアに思う人も結構多いと思う。

 早業/力業に関しては、面白いシステムではあるが、個人的にはそこまで有効には扱えなかった。僕が下手なだけかもしれないが。敵に早業からの2回行動された印象しかないんだよね。

 今回は「人とポケモンが共に暮らす前の時代」ということで、ポケモンを持つ人は少なく、持っていたとしても手持ちが少ない、という形で表現されていたのはとても面白かった。

 

・ストーリー

 メインストーリーそのものは「ヒスイ地方で起きる異常現象「時空の裂け目」をなんとかするべく、各地を巡って荒ぶるキングポケモンを鎮める」という至極シンプルなものだが、個人的にはかなり感激させられるものだった。

 

 とにかく人々が口をそろえてこう言うのだ。「ポケモンは恐ろしい生き物だ!」

 今までのポケモンシリーズは全て「人とポケモンはともに生きるのが当然」という世界観のもと成り立つお話だった。今回は、その「現代」の価値観を「そうではなかった過去」を描くことを強調している。

 ヒスイの人々のポケモンに対する恐怖。それは、ポケモンの持つ強大(本当に強大)な力を恐れてのものでもあるが……その根源は「未知への恐怖」であることが本作では示される。「人間の感情の中で、何よりも古く、何よりも強烈なのは恐怖である。その中でも、最も古く、最も強烈なのが未知のものに対する恐怖である」とはラヴクラフトの言葉だが、今作のストーリーにおけるポケモンへの恐れの根本もここに見ることができるだろう。

 それを解き、人とポケモンの共存を模索していく端緒となるのが、主人公とギンガ団の調査隊が行う「ポケモン図鑑の作成」だ。未知のものを「分からないから」と疎むことをよしとせず、いち生物として生態を観察し、分類し、未知なる神秘を解体していく。

 ポケモンを恐れずともに戦う主人公と、明らかになるポケモンの生態によって、当初はポケモンを恐れていた他の人々も徐々にポケモンに親しんでいく、その過程こそが今作のストーリーの核だろう。

 そして、その試みは最終的に「シンオウさま」……神と崇められるポケモンであるディアルガパルキアへと至る。少々余談になるが、思うに「神」とは「未知」の換言である。得体が知れないがゆえに、畏れ、「この世のものではない」と自分たちから切り離す。まあシンオウ神話のポケモンたちはマジで別の世界に住んでいるのだが、ともあれ未知を解き明かす「図鑑作成」が最終的に「神」を「1匹のポケモン」として登録する、という流れは実に美しい結末だと言える。

 

 

 そういうわけで、待ちに待ちに待ったポケモン最新作、最高でした。まあ明日からは(まだやるけど)通常営業に戻ります。ではまた明日。